世界の論文から

Fertility and Sterility 2017 Novより

不妊女性において、TSHレベルが2.5mIU/l以上であったとしても不妊治療の結果にネガティブな影響はもたらされなかった。しかし、抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体が陽性の女性においては流産率が上昇し、生児出産率は低下するという結果が得られた。

Fertility and Sterility 2017 Novより

体外受精治療において、2個の胚移植と比較し単一胚移植を試みることによって多胎妊娠率は47%の低下が認められた。多胎に伴う周産期合併症の頻度を低下させることができるということを示した。

Human Reproduction 2017 Novより

ビタミンD摂取が足りている、足りていないに関わらず、体外受精治療をしている女性に対し充分なビタミン Dをとってもらったところ生産率が上昇した。

Fertility and Sterility 2017 Oct より

子宮内膜症を有する女性は、早産、流産、前置胎盤および帝王切開のリスクは有意に上昇するという結果が得られた。

Human Reproduction 2017 Oct より

癌治療の前に卵子凍結保存を試みた方が、試みなかった場合と比較して生児出産の確率を有意に高めることができた。

Human Reproduction 2017 Aprより

体外受精の採卵時に、卵子の採取ができないempty follicle syndromeという状態がある。この背景にはLHやhCGに対するレセプターの異常が関わっている症例があることがあることが判明した

Human Reproduction 2017 Aprより

甲状腺疾患を診断するために必要な抗甲状腺抗体は、人工授精後の妊娠に関わる臨床結果に差異をもたらさないという結果が得られた。

Human Reproduction 2017 Aprより

診断基準が拡大し、また、画像の感度が向上したためPCOS(多のう胞性卵巣症候群)と診断される女性が増えている。PCOSと診断された場合、判定されなかったものに比較して超音波検査を受けたいという希望が増え、より重症な疾患であるという認識をもちやすいことが分かった。

Human Reproduction 2017 Marより

着床前スクリーニング検査をすることによりモザイク胚が存在することが分かっている。着床前の胚のモザイクは4~90%と幅があり、その扱い(移植するべきか否か)に関して、さらなる議論が必要である。

Fertility and Sterility 2017 Marより

2回以上の原因不明である反復流産をしている女性において、黄体期にmicronized progesterone(100~200mg程度のプロゲステロンホルモン膣剤)を使用したところ、継続妊娠に至る割合は有意に上昇した。

Fertility and Sterility 2017 Marより

炎症性ケモカインであるmonocyte chemotactic protein-1(MCP-1)が体外受精を受けた肥満女性において高値を示す傾向がありさらに妊娠率は低い傾向があった。

Human Reproduction 2016 Oct. より

18~22年前に男性因子が原因で顕微授精を受けて妊娠できた子54人の若い男性の精液検査を行った。精子濃度、精子数、精子運動率すべて低い傾向だった。

Human Reproduction 2017 Febより

体外受精治療はストレスを伴うものである。不妊が関わるストレスレベルを低下させるため様々な心理的介入法が試みられている。簡便で費用対効果がよいとされている筆記療法である。無作為対象試験を行ったところ抑うつ症状は低下したが、不安や不妊が関わる苦痛のレベルには影響を及ぼさなかった。

Human Reproduction 2017 Febより

IVFの開始時期を調節するために経口避妊薬を用いたところ、新鮮胚移植においては妊娠率が低下し、また生児出産率も低下するという結果が得られた。一方、プロゲスチンを用いたところ、経口避妊薬を用いた場合よりも妊娠率に有意な上昇が認められた。

Fertility and Sterility 2017 Febより

神経性食思不振症患者において、体重は回復するも無月経が持続したグループにおいては、他の自律神経が原因の無月経患者グループと比較しゴナドトロピン注射に対する反応は高く、エストロゲンレベルの上昇も認めた。このことより神経性食思不振症患者においては体重の回復があったとしても機能的に充分な性腺系回復をもたらすだけの状態に達していないことが示唆された。