世界の論文から

Hum Reprod 2016 Oct. より

体外受精反復不成功例に対して、免疫を抑制するステロイド剤投与がされることがあるが、免疫反応活性や炎症のコントロールは着床に必須な現象である。そのため反復不成功例に対しては検査を進めて臨床的条件を特定してから投与すべきである。

Euro Urol 2016より

妊娠に適した年代の男性のうち37%が喫煙をしているという。WHOの新基準に照らし精液検査結果に喫煙の影響があるかを調査した。その結果、精子運動率低下を認め、喫煙の悪影響が精液に出ることが分かった。

BMJ 2016 Aprより

体外受精治療が子癇前症(妊娠高血圧症に蛋白尿の症状が追加された状態)のハイリスクとなることが分かった。

JAMA 316 (3) 2016より

体外受精のため卵巣刺激をした女性を21年間フォローした結果、卵巣刺激は乳癌のリスクにはならないということが明らかになった。

Hum Reprod 2016 Apr より

癌治療に伴う化学療法は卵胞や卵子の減少を引き起こすが、小児ではその影響が少ないことが知られていた。今回の研究では化学療法の前後において、小児の癌患者から卵胞を含む卵巣組織及び体外受精可能な卵子の採取が可能であることが分かった。

Hum Reprod 2016 Mar より

抗リン脂質抗体症候群を有する妊娠反復不成功の患者では低用量アスピリンの投与により、妊娠反覆不成功率を改善することが知られていたが、抗リン異質抗体症候群ではない妊娠反復不成功の患者では、そのような改善効果は得られなかった。

Obstet Gynecol 2016 Marより

ARTによる妊娠症例は分娩時の母体合併症のリスクが高いことが知られていたが、不妊症と診断されARTを行わずに妊娠した症例においても、自然妊娠症例よりも分娩時のリスク、特に輸血のリスクが高いことが分かった。このメカニズムについては研究を進める必要がある。

Am J Obstet Gynecol 2016 Marより

卵子提供による妊娠は、その他のARTによる妊娠や自然妊娠の場合よりも、妊娠高血圧症や子癇前症(高血圧による発作)となる確率が有意に大きいことが分かった。

Obstet Gynecol 2016 Febより

乳児死亡に関わる様々なリスク因子(妊娠後のBMIの変化も含む)を考慮し、BMIと乳児死亡との関係を調べたところ、乳児死亡と最も強い相関を示すのは「妊娠時の母体BMI」であることが分かった。よって乳児死亡のリスクを低下させるために母体の肥満レベルを低下させることが重要である。

Obstet Gynecol 2015 Sepより

2009年頃に発生した新型インフルエンザウイルスHINI型の感染によって死亡した妊婦は、妊婦の死亡例の12%を占めていた。これは妊婦において特に死亡率が高いという結果ではないが、感染の予防や感染後のケアは母体の死亡率を減少させるために重要である。

JAMA 2015 Decより

英国におけるIVFによる出生率に関する大規模な調査結果では、平均年齢35歳(18歳-55歳の患者)の患者群での累積出生率は1、4、9回目までで、それぞれ29.5、 50.0、 65.3%、40歳以上の群では1回目で12.3%、6回目の累積妊娠率が31.5%、42歳以上では1周期あたり4%以下であった。

Fertil Steril 2015 Novより

脳下垂体機能低下症は不妊の原因となるが、これによる成長ホルモンの低下をホルモン補充により補った場合の妊娠との関係について調べた。ホルモン補充療法を、妊娠前に中止、妊娠中に中止、妊娠中も継続のいずれの場合でも妊娠経過に差はなかった。

Hum Reprod 2015 Octより

AMH(前胞状卵胞から放出されるホルモン)の値や小卵胞数は卵巣予備能を現していると言われている。それらに対する経口避妊薬使用の影響について調べたところ、非使用者に比べ使用者ではAMHが著しく低い値に至るリスクが1.6倍高いことが分かった。

Hum Reprod 2015 Octより

胚提供を実施したドナーとレシピエントに聞き取りをしたところ、双方とも児とドナーの遺伝的なつながりを重要視しており、遺伝的背景の開示は児とドナー側の双方にとって重要であると考えていた。また、ドナーは児の福祉に関しても責任があると認識していた。

Hum Reprod 2015 Octより

培養液の違いによって胚の発育、妊娠率および出生体重に差がでることが知られている。
培養液の違いによってもたらされたDay2,3胚の細胞数や胚の着床率の違いが胚の代謝や細胞分裂に関わる遺伝子発現の違いと一致することが新たに分かった。