世界の論文から

Fertility and Sterility 2017 Febより

男性の加齢に伴って、泌尿器生殖系に関わる内科的および外科的疾患を認める頻度は上昇する。治療をしない場合、それらの疾患が男性の妊娠する力に対し悪影響があると考えられている。

Hum Reprod 2016 Sep. より

クラインフェルター症候群の男性に対して、16歳未満でTESEをする場合は16~30歳および青年期に施行する場合と比較し精子回収率が悪い。そのためクラインフェルター症候群と診断された16歳未満男児に対して妊孕性温存法としてTESEを勧めるべきではない。

Fertility and Sterility 2016 Oct. より

不妊治療によって、あるいは不妊であった親から出産した児における認知発達レベルを長期的に追跡調査した。自然妊娠、不妊治療後妊娠の児、不妊を経験している女性の児それぞれのグループで認知レベルおよび学校成績に差がないことが明らかになった。

Hum Reprod 2016 Oct. より

加齢マウスの卵子においてミトコンドリアの機能障害が認められた。その卵子に対し、体細胞から得られたミトコンドリアをマイクインジェクションしたとしても受精能や胚発育率は改善しなかった。

Hum Reprod 2016 Oct. より

体外受精反復不成功例に対して、免疫を抑制するステロイド剤投与がされることがあるが、免疫反応活性や炎症のコントロールは着床に必須な現象である。そのため反復不成功例に対しては検査を進めて臨床的条件を特定してから投与すべきである。

Euro Urol 2016より

妊娠に適した年代の男性のうち37%が喫煙をしているという。WHOの新基準に照らし精液検査結果に喫煙の影響があるかを調査した。その結果、精子運動率低下を認め、喫煙の悪影響が精液に出ることが分かった。

BMJ 2016 Aprより

体外受精治療が子癇前症(妊娠高血圧症に蛋白尿の症状が追加された状態)のハイリスクとなることが分かった。

JAMA 316 (3) 2016より

体外受精のため卵巣刺激をした女性を21年間フォローした結果、卵巣刺激は乳癌のリスクにはならないということが明らかになった。

Hum Reprod 2016 Apr より

癌治療に伴う化学療法は卵胞や卵子の減少を引き起こすが、小児ではその影響が少ないことが知られていた。今回の研究では化学療法の前後において、小児の癌患者から卵胞を含む卵巣組織及び体外受精可能な卵子の採取が可能であることが分かった。

Hum Reprod 2016 Mar より

抗リン脂質抗体症候群を有する妊娠反復不成功の患者では低用量アスピリンの投与により、妊娠反覆不成功率を改善することが知られていたが、抗リン異質抗体症候群ではない妊娠反復不成功の患者では、そのような改善効果は得られなかった。

Obstet Gynecol 2016 Marより

ARTによる妊娠症例は分娩時の母体合併症のリスクが高いことが知られていたが、不妊症と診断されARTを行わずに妊娠した症例においても、自然妊娠症例よりも分娩時のリスク、特に輸血のリスクが高いことが分かった。このメカニズムについては研究を進める必要がある。

Am J Obstet Gynecol 2016 Marより

卵子提供による妊娠は、その他のARTによる妊娠や自然妊娠の場合よりも、妊娠高血圧症や子癇前症(高血圧による発作)となる確率が有意に大きいことが分かった。

Obstet Gynecol 2016 Febより

乳児死亡に関わる様々なリスク因子(妊娠後のBMIの変化も含む)を考慮し、BMIと乳児死亡との関係を調べたところ、乳児死亡と最も強い相関を示すのは「妊娠時の母体BMI」であることが分かった。よって乳児死亡のリスクを低下させるために母体の肥満レベルを低下させることが重要である。

Obstet Gynecol 2015 Sepより

2009年頃に発生した新型インフルエンザウイルスHINI型の感染によって死亡した妊婦は、妊婦の死亡例の12%を占めていた。これは妊婦において特に死亡率が高いという結果ではないが、感染の予防や感染後のケアは母体の死亡率を減少させるために重要である。

JAMA 2015 Decより

英国におけるIVFによる出生率に関する大規模な調査結果では、平均年齢35歳(18歳-55歳の患者)の患者群での累積出生率は1、4、9回目までで、それぞれ29.5、 50.0、 65.3%、40歳以上の群では1回目で12.3%、6回目の累積妊娠率が31.5%、42歳以上では1周期あたり4%以下であった。