2010年

Fertility and Sterility 2011 Marより

胚のfragmentation、不正な割球の存在などは、胚の生存能にネガティブな影響を与え妊娠率を低下させる。fragmentationの原因が何か、まだ不明な点が多い。卵の膜の脂質の異常が関わっているのではないかと指摘する報告がある。

反復流産症例に免疫グロブリンの静脈投与をしても生児出産率の上昇は期待できない。また、免疫グロブリン投与が有効であるという症例を特定できない。

XXの胚とXYの胚において胚盤胞へ到達する割合はほぼ同様であった。正常と異常の染色体の割合にも性差は認められなかった。

19年7ヶ月という長期凍結保存された胚を融解し移植し、妊娠が成立、健児の出産に至った。現在までの報告で最長の凍結期間である。

自然妊娠したグループと、FSH製剤を使用し排卵誘発をさせて妊娠したグループとを比較し、流産した胎児の染色体異常に差はなかった。FSH製剤の注射により排卵誘発をしたとしても、染色体異常のリスクは上昇しないことが示唆された。

Human Reproduction and Embryology 2011 Marより

男性不妊では、排卵前に2回AIHをした方が1回のみと比較し妊娠率は上昇する。

男性不妊ではないグループでは、排卵確認された後1回AIHをした方が排卵前に行うよりも妊娠率が上昇する。

art療法(絵を用いる方法)は費用もかからず薬物を使用せず、不妊女性における希望の喪失や抑うつ気分のレベルを低下させることができる介入法である。

体外受精で出産した児と自然妊娠に至った不妊カップルの児は2歳時点で神経学的な発達レベルは同様な結果だった。

American Journal of Gynecology 2011 Febより

肥満の妊婦は、いろいろな合併症が起こることが、多くの研究で明らかにされている。妊娠中から産褥期にかけて母児にネガティブな影響を及ぼすことを考え、妊娠成立前にカウンセリングを受けて理想体重に近づけておく必要がある。

妊娠時に不活性インフルエンザワクチンを受けたグループ、弱毒性ワクチンを受けたグループと比較して、妊婦、あるいは胎児の臨床結果に特別な有害事象パターンは認められなかった。

Fertility&Steriliry 2011 Febより

月経が整順な女性における散発無排卵は多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の女性に認められる内分泌学的異常と相関する。

ICSI(顕微授精)で出生した男児と自然妊娠で出生した男児の14歳の時点でのteststerone(男性ホルモン)レベルはほぼ同様な値であった。

Fertility&Steriliry 2011 Janより

黄体期に採卵し体外成熟を試みる方法は有効な選択肢の一つである。

精子のDNA fragmentationは妊娠にマイナスな影響を及ぼす。この影響は良好卵を用いることにより回避される。

胞状卵胞数と血中AMHの値は原始卵胞数と正の相関を示した。

糖尿病を合併している場合、血糖値が適切にコントロールされている方が排卵率に有意な上昇が認められた。

精子をswim upすることで、空胞精子率は低下したが、回収率も低下した。体外受精、顕微授精など治療により密度勾配法とどちらを用いるか検討する必要がある。

AJOG 2010 Decより

生殖年齢の女性において、鬱や不安神経症などの精神障害を有するものが多いが、実際に治療を受けている者は少ない。

極めて年齢の高い女性における妊娠のリスクは、母児共に上昇する。

Fertility&Steriliry in pressより

体外受精において、男性がHPV陽性の場合の流産率はHPV陰性に場合と比べて有意に高かった。

男性のBMIと胚盤胞到達率、臨床妊娠率、分娩率との関連で、BMIが上昇するほどそれぞれの率が減少する傾向が認められた。

Reproductive Biology and Endocrinology 2010より

DHEAは胚の異数性を低下させ、卵巣機能の低下した女性の妊娠率を改善する可能性が示唆された。

Fertility&Steriliry 2010 Decより

子宮内に生理食塩水を注入して超音波にて子宮内の異常を診断する方法は、注入しない超音波診断よりも有用な検査であるが、診断精度は子宮鏡が最も優れている。

精子検査は良好な再現性が認められないため、2回反復して行う事が妥当と考えられる。

IVF児は自然妊娠児と比較し周産期死亡率、低出生体重児、先天奇形、性差に顕著な違いは認められなかった。

閉塞性無精子症患者におけるICSIにおいて、精巣上体精子、精巣精子の何れを用いても受精率、妊娠率、流産率に差は認められなかった。

萎縮性精巣においては、conventional TESE + microTESEにおける精子回収率は低くかった。

ヒトにおける卵巣組織移植において、その凍結方法はvitrification法の方が緩慢凍結法よりも有効である。

Human Reproduction 2010 Novより

男性の喫煙は、酸化ストレスとなり精子のprotamine代謝過程に負の影響を与える。

母体の喫煙は胎児の胚細胞、体細胞の減少を引き起こし、児の将来的な妊娠する力に影響する可能性が示された。

大規模な研究により、母親の喫煙で、煙草に含まれる化学物質の為に出生したのが女児の場合、その妊孕性の将来的な低下を認める事がわかった。

肥満の内服薬無効例の患者において、6週間の運動療法およびダイエットを行った所、内服薬による排卵率の上昇が認められた。

多くの男性不妊患者には、心理的な支援が必要である。

Fertility&Steriliry 2009 Decより

9~18歳の体外受精で出生した子供を対象に、総合的機能、行動、社会心理レベルは、正常域である事が確認された。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と診断された肥満女性は非肥満女性よりも排卵障害を起こす率が高い。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)患者には食事療法に加え、運動療法を取り入れる方が治療効果が上がる。

体外受精と自然での二卵性双胎の早産における臨床結果に差は認められなかった。