2017年

Human Reproduction 2017 Oct より

癌治療の前に卵子凍結保存を試みた方が、試みなかった場合と比較して生児出産の確率を有意に高めることができた。

Human Reproduction 2017 Aprより

体外受精の採卵時に、卵子の採取ができないempty follicle syndromeという状態がある。この背景にはLHやhCGに対するレセプターの異常が関わっている症例があることがあることが判明した

Human Reproduction 2017 Aprより

甲状腺疾患を診断するために必要な抗甲状腺抗体は、人工授精後の妊娠に関わる臨床結果に差異をもたらさないという結果が得られた。

Human Reproduction 2017 Aprより

診断基準が拡大し、また、画像の感度が向上したためPCOS(多のう胞性卵巣症候群)と診断される女性が増えている。PCOSと診断された場合、判定されなかったものに比較して超音波検査を受けたいという希望が増え、より重症な疾患であるという認識をもちやすいことが分かった。

Human Reproduction 2017 Marより

着床前スクリーニング検査をすることによりモザイク胚が存在することが分かっている。着床前の胚のモザイクは4~90%と幅があり、その扱い(移植するべきか否か)に関して、さらなる議論が必要である。

Fertility and Sterility 2017 Marより

2回以上の原因不明である反復流産をしている女性において、黄体期にmicronized progesterone(100~200mg程度のプロゲステロンホルモン膣剤)を使用したところ、継続妊娠に至る割合は有意に上昇した。

Fertility and Sterility 2017 Marより

炎症性ケモカインであるmonocyte chemotactic protein-1(MCP-1)が体外受精を受けた肥満女性において高値を示す傾向がありさらに妊娠率は低い傾向があった。

Human Reproduction 2016 Oct. より

18~22年前に男性因子が原因で顕微授精を受けて妊娠できた子54人の若い男性の精液検査を行った。精子濃度、精子数、精子運動率すべて低い傾向だった。

Human Reproduction 2017 Febより

体外受精治療はストレスを伴うものである。不妊が関わるストレスレベルを低下させるため様々な心理的介入法が試みられている。簡便で費用対効果がよいとされている筆記療法である。無作為対象試験を行ったところ抑うつ症状は低下したが、不安や不妊が関わる苦痛のレベルには影響を及ぼさなかった。

Human Reproduction 2017 Febより

IVFの開始時期を調節するために経口避妊薬を用いたところ、新鮮胚移植においては妊娠率が低下し、また生児出産率も低下するという結果が得られた。一方、プロゲスチンを用いたところ、経口避妊薬を用いた場合よりも妊娠率に有意な上昇が認められた。

Fertility and Sterility 2017 Febより

神経性食思不振症患者において、体重は回復するも無月経が持続したグループにおいては、他の自律神経が原因の無月経患者グループと比較しゴナドトロピン注射に対する反応は高く、エストロゲンレベルの上昇も認めた。このことより神経性食思不振症患者においては体重の回復があったとしても機能的に充分な性腺系回復をもたらすだけの状態に達していないことが示唆された。

Fertility and Sterility 2017 Febより

新鮮胚移植においてBMIが低値を示すものでは臨床結果にネガティヴな影響が認められることが分かった。特に、年齢が高い女性に顕著だった。

Fertility and Sterility 2017 Febより

培養交換をしないタイプの胚培養において、培養0日から5日目あるいは6日目までインスリンを添加した培養液を用いたところ、臨床妊娠率および胚発育の改善が認められた。この効果を確認するために今後異なった培養液との無作為試験が必要となる。

Fertility and Sterility 2017 Febより

男性の加齢が児への遺伝性疾患のリスク上昇と相関すると報告されている。加齢に関わる変化としてDNA複製に関する配列異常や活性酸素の慢性的被曝などの影響も考えられている。父親の加齢が関わる児に対する発達障害などの医学的・社会的なリスクに関しても検討を進める必要がある。

Fertility and Sterility 2017 Febより

男性の加齢に伴って、泌尿器生殖系に関わる内科的および外科的疾患を認める頻度は上昇する。治療をしない場合、それらの疾患が男性の妊娠する力に対し悪影響があると考えられている。

Hum Reprod 2016 Sep. より

クラインフェルター症候群の男性に対して、16歳未満でTESEをする場合は16~30歳および青年期に施行する場合と比較し精子回収率が悪い。そのためクラインフェルター症候群と診断された16歳未満男児に対して妊孕性温存法としてTESEを勧めるべきではない。

Fertility and Sterility 2016 Oct. より

不妊治療によって、あるいは不妊であった親から出産した児における認知発達レベルを長期的に追跡調査した。自然妊娠、不妊治療後妊娠の児、不妊を経験している女性の児それぞれのグループで認知レベルおよび学校成績に差がないことが明らかになった。

Hum Reprod 2016 Oct. より

加齢マウスの卵子においてミトコンドリアの機能障害が認められた。その卵子に対し、体細胞から得られたミトコンドリアをマイクインジェクションしたとしても受精能や胚発育率は改善しなかった。

Hum Reprod 2016 Oct. より

体外受精反復不成功例に対して、免疫を抑制するステロイド剤投与がされることがあるが、免疫反応活性や炎症のコントロールは着床に必須な現象である。そのため反復不成功例に対しては検査を進めて臨床的条件を特定してから投与すべきである。

Euro Urol 2016より

妊娠に適した年代の男性のうち37%が喫煙をしているという。WHOの新基準に照らし精液検査結果に喫煙の影響があるかを調査した。その結果、精子運動率低下を認め、喫煙の悪影響が精液に出ることが分かった。

BMJ 2016 Aprより

体外受精治療が子癇前症(妊娠高血圧症に蛋白尿の症状が追加された状態)のハイリスクとなることが分かった。

JAMA 316 (3) 2016より

体外受精のため卵巣刺激をした女性を21年間フォローした結果、卵巣刺激は乳癌のリスクにはならないということが明らかになった。