この研究は、AMHと流産の関連を検討した。自然妊娠を目指している30〜44歳の女性を対象に妊娠成立後流産にいたった患者と生児を獲得した患者のAMHを比較した。AMH>1.0 ng/mLの患者と比較しAMH <0.4 ng/mLの患者では2.3倍に流産率が増加したと報告している。
この研究は体外受精治療中の男女の心理面での違いについて検討した。男性より女性の方が精神的な負担の程度が大きく、またその期間が長くなる傾向にあった。女性は、治療期間中「抑うつ」と「不安」を感じ、特に採卵日、移植日、妊娠判定前に最大になった。一方、男性には「不安」はなく、「抑うつ」だけが治療開始前から存在し、徐々に増加して妊娠判定日前に最大になった。したがって男女の違いを加味した心理サポートプログラムが必要であると報告している。
アッシャーマン症候群(子宮内癒着症)は、およそ4/10,000の確率で認められる。今までは子宮内操作(手術)による医原性が主な原因と考えられていたが、子宮手術歴のない患者にもアッシャーマン症候群が見られることから、この研究では先天性(遺伝的)のケースが存在することが想定されると報告している。