ビタミンDについて ①

培養室では卵を凍結したり精子を調整したりといった臨床的なお仕事のほかに、データの収集・分析や、学会での発表、学会誌での論文掲載といった、研究的なお仕事も行っています。

それぞれ行っている研究やデータ分析は様々ですが、ここ最近ビタミンDに関しての研究に取り組んでいる培養士がおります。そのスタッフがまとめました、”ビタミンDと不妊の関係について”を今回と次回にわたって掲載いたします。

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不妊に関係するとされる事柄は様々ありますが、日々私たちが口にする“栄養”もその1つです。今回はその中でも「ビタミンD」についてお話いたします。

ビタミンDとは…ビタミンDは脂溶性のビタミンの一つで、全身の細胞内に存在しています。主な役割はカルシウムの吸収を助けることで、骨の形成や成長に深く関与しています。このほか、免疫細胞に作用し免疫力を上げたり、ホルモンに作用し筋肉を強くしたりと、人にとって重要な栄養素のひとつです。また、近年では不妊に関しても密接な関係を持っていると言われています。

<不妊とビタミンDの関係>

・ビタミンDの血中濃度が適度である場合、臨床的妊娠率・出産率が有意に高い

・ビタミンDが欠乏していると妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病、帝王切開になる確率が有意に高い

・PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)の予防、発症後の症状の緩和

下記にビタミンDに関する論文をご紹介します。

Direct Regulation of HOXA10 by 1,25-(OH)2D3 in Human Myelomonocytic Cells and Human Endometrial Stromal Cells   [著 Hongling Duら 2005年](https://academic.oup.com/mend/article/19/9/2222/2737866

この論文は、ビタミンDが着床・妊娠に関与する遺伝子に対し、どのように働きかけるかを報告したものです。ビタミンDは受精卵の着床に必要な遺伝子の発現を誘導し、胚の着床や受精、生殖機能の分化に直接寄与している。という結果を述べています。

つまりは、ビタミンDは妊娠における重要な栄養素であると考えられます。また、これは女性に限ったことではありません。

Vitamin D is positively associated with sperm motility and increases intracellular calcium in human spermatozoa      [著 Martin Blomberg Jensenら 2011年](https://academic.oup.com/humrep/article/26/6/1307/2913983)

この論文は18歳から21歳の計300人の男性を対象に、血清中のビタミンD濃度と精子運動率の関係を報告したものです。ビタミンD濃度が高い人ほど精子運動率が高く、形態的に正常な精子の割合が有意に高かったことを述べています。

このように、ビタミンDは男女問わず大事な栄養素といえます。