検査は女性側、男性側に分けられます。
不妊の原因の40%は男性側にもあると言われていますので、ご主人もぜひ精子検査にご協力下さい。女性側の検査内容としては血液検査(ホルモン検査)、卵管検査、性交後検査などが外来レベルの検査として行われます。
具体的な検査内容は外来時にご説明いたします。
さまざまな検査は女性の月経周期に合わせているのでまとめて行うことが出来ません。
つまり、基本検査を行うのに2ヶ月を要する事もあります。検査を受けつつ、相談しながら治療方針を決めていきます。
検査時期が決まっている項目...[1]~[8]
随時検査が可能な項目...[9]~[16]
この時期を逃すと次周期の検査となります。
月経中、ホルモンの基礎で間接的に卵巣機能をみる検査です。
月経1~5日目の時期に採血をします。
検査項目:LH(黄体化ホルモン)、FSH(卵胞刺激ホルモン)、PRL(プロラクチン)
必要に応じてE2(エストラジオール)、テストステロン(男性ホルモンの1つ)
卵管の通過性と子宮の形態をみる検査です。
月経があった日を1日目として月経10日目以内かつ出血がない時期に行うことが多いです。
月経終了直後が一番適した時期です。子宮の中に風船がついた管を入れます。その風船を栓にして子宮の出口を塞ぎ、検査液を子宮の中に流します。
レントゲンを用いて造影剤が卵管から流れてくることを確認します。(子宮卵管造影検査)
排卵前は放射線被爆の影響はほとんどありませんので、検査をした周期でも妊娠が可能です。
超音波子宮卵管検査は食塩水と空気の混合液を用いて子宮と卵管を検査するものです。造影剤アレルギーがある方などにも用いる事ができます。当院で行います。
受精の場である卵管の通過性、また卵管が腫れているかどうかを確認することはとても大切です。検査の結果により治療方針が大きく変わることもあります。
子宮の中に細いカメラ(内視鏡)を挿入し、子宮内にポリープや子宮筋腫がないかどうかを調べます。月経10日目以内、かつ出血がない期間が検査に適した時期です。この検査は、超音波検査や子宮卵管造影検査で疑われた際に追加で行うことがあります。
卵が入っている水の袋のようなものを卵胞と呼びます。卵巣にあるその卵胞を超音波という機械でみて、発育しているかどうかを確認していきます。
卵胞は自然周期ですと平均18~21mmで破れて排卵します。小さめで排卵したり、大きめで排卵したり、また、その月経周期によって排卵までの卵胞サイズが違っていきます。排卵時期を把握してタイミングをとるために必要な検査です。(この検査は月により行う回数が変わってきます。検査を保険診療でカバーできない場合もあります。ご了承下さい。)
排卵前にはエストラジオール(E2)というホルモンが分泌されます。そのホルモンに頚管という子宮の出口が反応して粘液を産出し、精子を受け入れやすくします。その粘液の性状や量を検査します。
排卵時期に性交をもってもらった後、頚管粘液の中に精子がどのくらい動いているか顕微鏡で検査をします。
性交のタイミングをとった夜の翌朝、またはタイミングをとった日に検査をします。
この検査は、排卵や性交の時期などにより偽陰性が出やすい検査です。
一度結果が陰性だとしても、がっかりする必要はありません。
けれど、繰り返し結果が陰性だった方は、タイミング指導を受けるよりも早めに人工授精(AIH)や体外受精(IVF)などのステップアップをお勧めします。
超音波検査で見えていた卵胞が破れていることを確認します。そのほかは、基礎体温、子宮の出口の状態、採血などで確認できます。
排卵後の卵胞(卵が入っている水の袋のようなもの)は、黄体に変化して、そこからプロゲステロンというホルモンが分泌されます。このプロゲステロンの働きで基礎体温が上昇して高温期になります。このホルモンを測定します。
採血で抗体を測定する検査と、子宮の出口(子宮頚部)を綿棒でぬぐい、そのなかにクラミジアがいるかどうか調べる検査があります。
クラミジア感染症は卵管のまわりに癒着をおこしたり、卵管を閉塞させたりする原因となる感染症です。
男性側の検査になります。
禁欲期間は2日(48時間)以上~7日以内としてください。
検査当日に採精容器に用手的(マスターベーション)に採っていただきます。
精液検査:精液量、精子濃度、運動率、運動精子数を調べます。
通常の精液検査の他に精子DNA損傷検査、精液抗酸化力検査があります。
無症状にもかかわらず、甲状腺の病気が隠れていることがあります。また、甲状腺機能亢進や低下が流産に関わることや妊娠中の甲状腺ホルモン値により胎児の発育に影響を及ぼすことが判明しています。まずは病気がないかを確認します。
風疹に対する免疫が不十分な妊娠初期の妊婦さんが風疹ウィルスに感染すると、出生児が先天性風疹症候群を発症する可能性があります。妊娠中の女性は予防接種を受けられないため、風疹抗体がない場合は妊娠前に予防接種を受けてください。
抗ミュラー管ホルモン(AMH)は、卵巣内の在庫卵が年齢相当にあるかどうかをみる検査で、卵巣機能検査になります。
ビタミンDの不足が不妊の原因になっている事があります。
必要な場合には、抗精子抗体検査、染色体検査、習慣性流産検査なども行っております。
妊娠とは直接関係がありませんが、まずは健康な体であるか確認するために検査をします。(子宮頚癌検診と子宮体癌検診の2種類があります。)
排卵障害がある方の中にインスリンというホルモンが高すぎることが原因のひとつになっていることがあります。糖を負荷した血糖やインスリンの反応をみて薬が必要かどうか判断します。
朝、絶飲食で来院していただき、2時間半くらいかかる検査です。
排卵をコントロールする場所として、自律神経や脳下垂体という場所や卵巣などが関連します。どの部分が不調なのかを調べる検査です。検査薬を注射した後のホルモン値を測定します。採血は3回ほど、30分くらいかかる検査になります。