男性不妊相談

松下知彦先生
担当医:
松下 知彦 医師
男性の精子の平均的な量は50年前に比べると半分ぐらいになっているという報告があります。昔と違って我々の気がつかない間に生殖機能がダメージを受けていて、いざ子供を作ろうと思ってもなかなかできない事がありえます。子供ができない時、あるいは作ろうと思った時には、メンズブライダルチェックなども行っておりますので、ご相談頂ければと思います。

当院の男性不妊相談は第二、第四週の土曜日午後に開設しております。

視診、超音波検査、血液検査などを行い男性不妊の原因について検索、治療を行っていきます。 手術が必要な場合は、当院男性不妊相談担当医が大船中央病院(当院から徒歩10分)など近郊の泌尿器科と連携して対応致します。大船中央病院に受診される方は紹介状が必要となりますので、担当医にその旨をお話下さい。

※初診当日は精液検査はできません。
 ご受診いただいてから、改めて検査の予約をお取りいただく形となります。
※精液検査を受けた事がある方は、結果表をお持ちでしたらご持参下さい。

一般検査について

精液検査

超音波検査やホルモン検査(血液検査)を行います。

精子特殊検査について

精子DNA損傷検査

精液中に"DNAが傷ついた精子"がどの程度いるか(DFI値)がわかります。この値が30%以上だと人工授精での妊娠率が低い、IVFよりもICSIの方が妊娠率が高い、15%以上だと胚盤胞率が低下する、という報告があります。
費用:料金表をご確認ください。
※上記費用とは別に通常の精液検査費用がかかります。

精液抗酸化力検査

活性酸素は精子のDNA損傷の主な原因と考えられており、その他に運動性へも影響を与えていると報告されています。
活性酸素を無力化する力を抗酸化力といいます。抗酸化物質が精液中にどの程度に含まれているかがわかります。
費用:料金表をご確認ください。
※上記費用とは別に通常の精液検査費用がかかります。

遺伝子検査について

遺伝子検査は予約制となっております。
ご説明させて頂く為に基本的に一度来院をお願いしております。(来院時に実際の検査の予約をいたします。)下記料金に別途初診料または再診料が発生致します。

染色体検査G-Banding(46XY):染色体の数的異常,構造異常を検査

AZF(azoospermia factor):Y染色体長腕の欠失およびAZF領域の微小欠失パターンを検出し、精巣内精子回収(TESE)適応の可否を検討するための検査

SRY(Sex-determining region Y):性を決定する遺伝子検査

精巣内精子採取TESE(testicular sperm extraction)について

何らかの理由で射精した精液中に精子が認められない場合があります。その理由は大きく2種類に分別されます。

1.精子は精巣内で作られているが射精までの過程に問題がある(閉塞性無精子症)

2.精巣内での精子の形成過程問題がある(非閉塞性無精子症)

このような場合、精巣から直接精子を採取する方法としてTESEがあります。麻酔下に精巣から少量の組織を切り取り、顕微鏡を使って精子が存在するか確認します。精子が確認できたら、その組織をいくつかに分けて凍結保存します。体外受精時に、その組織を解凍し顕微授精に用います。 最近では顕微鏡を用いて精子が存在しそうな精巣組織を選択的に採取する顕微鏡下精巣内精子回収法(MD-TESE)が多く行われるようになってきました。


詳細は大船中央病院でお聞きください。当クリニックでは、大船中央病院との連携で行っております。大船中央病院にて手術を行い、当クリニックで精子を含んだ組織の分離と凍結を行います。

注意:凍結した組織内に必ず精子がいるとは限りません。また、凍結した精子が受精能力を有しているかも凍結時点ではわかりません。

治療費

手術費用 大船中央病院へお問い合わせください。
手技料

料金表をご確認ください。

・精子凍結代(精子凍結説明書参照):精子が採取できた場合には組織を凍結保存いたします。

料金表をご確認ください。

スパームセパレーターによる良好精子回収法

採取された精液中には元気な精子だけではなく、死んでしまった精子や雑菌が含まれています。
それらは受精の妨げとなるため、体外受精や顕微授精を行なう前に除去する必要があります。
当院では、通常は「密度勾配遠心法」と「Swim-up法」で行なっていますが、ZyMōtスパームセパレータ―により、遠心分離を行なうことなく運動性の高い良好な精子を抽出することが可能です。