世界の論文から

Hum Reprod 2018

アッシャーマン症候群(子宮内癒着症)は、およそ4/10,000の確率で認められる。今までは子宮内操作(手術)による医原性が主な原因と考えられていたが、子宮手術歴のない患者にもアッシャーマン症候群が見られることから、この研究では先天性(遺伝的)のケースが存在することが想定されると報告している。

JAMA 2017

不妊症でない女性(妊娠目指し3ヶ月以下)を対象に卵巣予備能のパラメータ(AMH、FSH)と自然妊娠するまでの期間について検討した。AMHは3つのグループ(0.7未満、0.7~8.4、8.5以上)、FSHは2つのグループ(10未満、10以上)に分け比較したところ、AMH、FSHともにすべてのグループでTTP自然妊娠するまで6カ月未満に妊娠した患者の割合は60%程度であり差は認めなかった。また、自然妊娠するまでに12カ月未満で妊娠した患者の割合もAMH、FSHすべてのグループで80%程度であり差は認めなかったと報告している。

Fertil Steril 2018

この研究は胚盤胞から、胞胚腔液、TE細胞(胎盤になる細胞)、ICM細胞(胎児になる細胞)を採取し染色体の一致率を比較した。胞胚腔液とICM細胞、胞胚腔液とTE細胞、TE細胞とICM細胞の一致率はそれぞれ40%、40%、85.7%であったと報告している。

N Engl J Med 2017

この研究は妊娠高血圧症候群のハイリスク妊婦に対しアスピリン内服の効果を検討した。妊娠11〜14週から妊娠36週までアスピリン150mg/日を内服した患者とプラセボを内服した患者の二つグループに分けて検討したところアスピリン群では1.6%、プラセボ群では4.3%が、妊娠37週未満での妊娠高血圧症候群を発症したと報告している。

Fertil Steril 2016

体外受精の採卵において3つの異なる卵巣刺激開始時期を比較した。刺激方法は同一の条件下で、卵胞期前期スタート(従来法)、卵胞期後期スタート(主席卵胞>10mm、E2>75)、黄体期スタートを比較したところ要した刺激日数は卵胞期前期スタートで最も短く、次いで黄体期、卵胞後期スタートで最も長くなった。採卵数、受精率、移植胚数、臨床妊娠率、妊娠継続率等に明らかな差は認めなかったと報告している。

Cochrane Database Syst Rev 2010

体外受精の採卵を行う前の周期にOC(ピル,すなわちエストロゲン+黄体ホルモン)を用いた場合の効果を検討した。OCを用いない場合と比較し生児獲得数は増加しなかったと報告している。

Fertil Steril 2020

ドナー卵子(平均年齢26歳)に顕微授精を実施し、受精卵の染色体異常の頻度と男性の年齢(〜39歳、40〜49歳、50歳〜)との関連を検討した。受精率は50歳以上の男性の精子でわずかに低下したが、胚盤胞率や正常胚率に差は認めなかった。また、異常胚率に相関する因子は卵子年齢のみであったと報告している。

Hum Reprod 2020

この研究では男性の喫煙と精液所見及びホルモン値の関連を検討した。非喫煙者と比べ、電子タバコの喫煙者は通常の喫煙者と同様に精子数の有意な減少を認めた。一方で、通常の喫煙者ではテストステロン濃度は増加したが、電子タバコの喫煙者では変化は認めなかったと報告している。

Human Reproduction 2020 Mayより

近年、体外受精治療の卵巣刺激方法に、Progesterone Primed Ovarian Stimulation(PPOS)という黄体ホルモンを排卵抑制として利用するやり方がでてきた。アンタゴニストを用いた排卵抑制をする方法と比較したところ、正常受精卵数、患者あたりの正常核型胚盤胞数など差がないことが分かった。

Human Reproduction 2021 Junより

新型コロナウィルスに感染し重症であった治癒後の男性の精液所見を調査したところ、25%の男性に乏精子症、精子無力症、無精子症を認めた。精液所見は新型コロナ感染症の重症度と関連することが指摘された。

Hum Reprod 2020

この研究は採卵周期のトリガーに関してhCG単独を用いた周期とhCG、GnRHアゴニストの併用を用いた周期を比較した。採卵数、成熟卵数、初期胚数、胚盤胞数、全てにおいてhCG単独よりhCGにGnRHを併用した場合の方が有意に上昇したと報告している。

Fertil Steril 2020

男性の精子のDNA損傷(%DFI)と年齢の関係を検討した。精子のDNA損傷(%DFI)は加齢により有意に増加し、%DFI増加率は41歳以下と42歳以上では、後者でおよそ2倍以上となった。%DFIが15%未満では良好な出産率だが、15〜25%で減少し、25%以上では顕微授精が必要となり、40%以上では流産率が増加したと報告している。

Hum Reprod 2020

慢性子宮内膜炎がある女性の多くは体外受精治療におけるインプランテーションウィンドウ(着床の窓)が非受容性であることが分かった。治療をすることによって、着床率が上昇したため、慢性子宮内膜炎の治療により適切なインプランテーションウィンドウが得られる可能性があると考えられた。

Fertil Steril 2013

胚のグレードと女性の年齢を同じ条件で新鮮胚と凍結融解胚の単一胚盤胞移植の成績を比較した。5日目の胚盤胞移植では同等の妊娠継続率だった。6日目の胚盤胞移植ではにおいて、妊娠継続率は凍結融解胚(54.3%)の方が新鮮胚(17.1%)より有意に高いと研究結果がある。

Nutrients 2018

この研究は不妊女性におけるビタミンD濃度とTh1/Th2比測定し、ビタミンD内服によるTh1/Th2比の変化を検討した。約9割の患者にビタミンD低下(30ng/ml未満)を認めた。また、ビタミンD低下の患者にビタミンD内服を行うことでTh1/Th2比が有意に低下すると報告している。