世界の論文から

Human Reproduction 2021 Junより

新型コロナウィルスに感染し重症であった治癒後の男性の精液所見を調査したところ、25%の男性に乏精子症、精子無力症、無精子症を認めた。精液所見は新型コロナ感染症の重症度と関連することが指摘された。

Hum Reprod 2020

この研究は採卵周期のトリガーに関してhCG単独を用いた周期とhCG、GnRHアゴニストの併用を用いた周期を比較した。採卵数、成熟卵数、初期胚数、胚盤胞数、全てにおいてhCG単独よりhCGにGnRHを併用した場合の方が有意に上昇したと報告している。

Fertil Steril 2020

男性の精子のDNA損傷(%DFI)と年齢の関係を検討した。精子のDNA損傷(%DFI)は加齢により有意に増加し、%DFI増加率は41歳以下と42歳以上では、後者でおよそ2倍以上となった。%DFIが15%未満では良好な出産率だが、15〜25%で減少し、25%以上では顕微授精が必要となり、40%以上では流産率が増加したと報告している。

Hum Reprod 2020

慢性子宮内膜炎がある女性の多くは体外受精治療におけるインプランテーションウィンドウ(着床の窓)が非受容性であることが分かった。治療をすることによって、着床率が上昇したため、慢性子宮内膜炎の治療により適切なインプランテーションウィンドウが得られる可能性があると考えられた。

Fertil Steril 2013

胚のグレードと女性の年齢を同じ条件で新鮮胚と凍結融解胚の単一胚盤胞移植の成績を比較した。5日目の胚盤胞移植では同等の妊娠継続率だった。6日目の胚盤胞移植ではにおいて、妊娠継続率は凍結融解胚(54.3%)の方が新鮮胚(17.1%)より有意に高いと研究結果がある。

Nutrients 2018

この研究は不妊女性におけるビタミンD濃度とTh1/Th2比測定し、ビタミンD内服によるTh1/Th2比の変化を検討した。約9割の患者にビタミンD低下(30ng/ml未満)を認めた。また、ビタミンD低下の患者にビタミンD内服を行うことでTh1/Th2比が有意に低下すると報告している。

Fertil Steril 2020 Mayより

この研究は男性因子がないカップルに対し顕微授精(ICSI)を行った場合、IVF(通常媒精、ふりかけるやり方)と比較し受精率は改善するが出産率が改善する結果は得られなかったと報告している。また、原因不明不妊のカップルにICSIを行った場合にも出生率が改善する結果は得られなかったと報告している。

Newsletter "infertility" Vol65より

トリメチルアミン-N-オキシド(TMAO)は食事由来のコリンとL-カルニチンが腸内細菌等に代謝された産物であり、糖尿病や肥満のマーカーとされる。卵胞液中のTMAO濃度と卵子の質との関連を検討した研究では胚の質が低かった卵子と比較し良好胚に発育した卵子の卵胞液中のTMAOの濃度は有意に低いと報告している。

Newsletter "infertility" Vol65より

生殖年齢の女性の50%がビタミンD欠乏症であり、ビタミンD欠乏症は多嚢胞性卵巣症候群や子宮内膜症などと関連することが報告されている。ビタミンDの栄養強化プログラムと不妊症女性の出産との関連を検討した研究ではビタミンD強化マーガリンを摂取した不妊女性は、摂取をしなかった女性に比べて出産率が上昇すると報告している。

Human Rep 2020 Junより

第一子をART治療で出産した女性が第2子のため再度ART治療を行った場合の累積生児獲得率を検討した研究では、既存の凍結胚を用いた女性の累積生児獲得率は60~90%、新たに採卵を行った女性の累積生児獲得率は50~70%であると報告している。

Human Rep 2020 Junより

タイミングもしくは人工授精においてクロミフェン(内服薬)投与により子宮内膜が薄くなった場合の治療選択について検討した。子宮内膜の厚さを指標にする。クロミフェン周期が不成功に終わった後、子宮内膜の厚さが7mm以下であればゴナドトロピン(注射)に切り替えた方がよい可能性がある。

Fertil Steril 2020 Febより

38歳以上の患者において、IVFを行った患者とICSIを行った患者を比較し受精率に差はなかったという報告がある。

Fertil Steril 2020 Febより

PGT-A(着床前胚染色体異数性検査)を行い染色体正常の胚盤胞を移植しても継続妊娠率は最大50%程度である。したがって、胚の染色体以外の因子の重要性が指摘されている。その一つとして子宮内膜の受容能が挙げられ、子宮内膜上の遺伝子が関わるバイオマーカーをマイクロアレイを用いて測定する方法や超音波診断で子宮内膜の変化を追跡することで受容能を特定する方法が研究されている。

Fertil Steril 2020 Febより

ビトリフィケーション(ガラス化法)とは卵子や胚の迅速凍結法のことで最近ではかつてみられないほど優れたレベルに達している。凍結胚移植と新鮮胚移植の成績は同様であると報告している。

Fertil Steril 2020 Aprより

子宮内膜症を合併している患者に3か月間GnRHアゴニストの投与を行うと、投与しなかった患者と比較して受精率が高いという報告がある。