世界の論文から

AM J Obset Gynecol. 2022 Oct;227(4)

流産手術で子宮内容除去術を受ける女性に、術中にヒアルロン酸ゲルを子宮内に注入することで手術による子宮内腔癒着率を改善するか検討した研究。結果としてヒアルロン酸ゲルを子宮内に注入することで子宮内腔癒着率が低下することが示唆された。

AM J Obset Gynecol. 2022 Sep;227(3)

形態不良胚によって誕生した児と良好胚によって誕生した児について、代謝及び認知発達について比較検討した研究。着床に成功して出生することができた場合においては、形態不良胚であっても、良好胚と同等の代謝・発達能力を有している可能性があることが示唆された。

Hum Reprod. 2022 Sep;37(9)

COVID-19不活化ワクチン接種が体外受精における卵巣刺激後の経過等に及ぼす影響ついて検討した研究。卵巣刺激前にCOVID-19不活化ワクチンを接種しても、卵巣刺激後の経過、胚発生、および妊娠率等の転機にほとんど影響しないことが示された。したがって、女性は体外受精治療を受ける前にCOVID-19ワクチンを接種することが推奨される。

Hum Reprod. 2022 Sep;37(9)

タイプラプスインキュベーター培養器での培養環境における胚発生と臨床転機を検討した研究。タイプラプスインキュベーター培養器により胚を加湿環境で培養した結果、胚、特にPGT-A(着床前検査)を受けた胚が妊娠に至る可能性が高くなることが示された。

Obsterics&Gynecology 2022/May;139(5)

COVID-19感染症によるウィルス性肺炎で入院した生殖可能年齢の患者について検討した研究。妊婦は非妊婦に比べてICUへの入院頻度は高かったが、死亡率は妊婦より非妊婦の方が高く、また人工呼吸器の使用率は妊婦と非妊婦で差は認められなかった。また、人工呼吸器を使用した場合においては、妊婦は非妊婦と比較して死亡率が低かった。

Fertil Steril. 2022 Feb;117(2)

COVID-19感染症による精子への影響を検討した研究。COVID-19感染症後、性質の質(運動率、精子数)の低下する可能性があることが示された。推定回復期間は3か月であるが、少数の男性に永続的な精子の損傷が生じる可能性があり、追加研究が進行中である。

Hum Reprod. 2022 Aug;37(8)

概日リズム(体内時計によってコントロールされる1日の生活リズム)の障害とPCOS患者の男性ホルモン過剰が関係するか検討した研究。研究の結果、概日リズムが乱れているPCOS患者は末梢のアンドロゲン代謝の調節が阻害されており、男性ホルモンが過剰となる可能性が示唆された。PCOS管理において概日リズムの調節が重要であることが示された。

Hum Reprod. 2022 Aug;37(8)

乳がん治療薬を内服した状態での卵巣刺激と標準的な卵巣刺激で乳がん女性の採卵数に変化が認められるか検討した研究。乳がん女性において、タモキシフェンやレトロゾールといった乳がん治療薬を服用中でも、標準的な卵巣刺激で採卵数は変化がないことを示唆された。

Hum Reprod. 2022 Aug;37(8)

子宮内膜の厚さと体外受精における分娩の有害な周産期転機と胎盤所見について検討した研究。子宮内膜が薄い状態で体外受精により妊娠した場合、胎盤に起因する産科合併症の発生率の増加と低出生体重児の増加を認めた。また、胎盤にも血流異常病変が顕著に認められた。

Fertil Steril. 2022 Jul;118(1)

流産及び反復流産既往のある女性を対象とし、ビタミンDの摂取状況とビタミンD治療により流産及び反復流産のリスクを低下させるか検討した研究。ビタミンD欠乏症及び不足は流産と関連することが示唆されたが、妊娠前のビタミンD欠乏症に対する治療が流産リスクのある女性の流産予防をするかは不明であった。

Obsterics&Gynecology 2022/Jul

妊娠中の睡眠障害について検討した研究。妊娠中の閉塞性睡眠時無呼吸、不眠症、むずむず脚症候群は妊娠中によくみられる睡眠障害であり、これらは妊娠糖尿病や早産などのリスクを増加させる可能性があることが示された。

Obsterics&Gynecology 2022/Jul

COVID-19感染症の原因
デルタ株またはデルタ株以前のCOVID-19感染症流行における重症化症例と有害な周産期転帰の症例は、オミクロン株によるCOVID-19感染症の症例数より多く認められた。すなわち、オミクロン株はデルタ株またはそれ以前の株よりも重症化はしにくく、妊産婦の有害事象は少ないことが示唆された。

Hum Reprod. 2022 Jul;37(7)

AMHの変動が卵胞数だけでなく、遺伝的要因によって起こるか検討した研究。ヒトとラットで検討し、AMHの値は遺伝的要因にも影響することが示された。そのため、AMHの値は遺伝的背景を考慮する必要があることが分かった。

Hum Reprod. 2022 Jul;37(7)

子宮内膜症や子宮腺筋症を合併する女性で妊娠率が低下するか検討した研究。子宮腺筋症またはMRIで一定の所見を認める子宮筋腫を合併する女性ではARTでの生児獲得率が有位に低くなった。

Hum Reprod. 2022 Jul;37(7)

新鮮胚移植とすべての胚を凍結し移植した場合に、妊娠率に差が生じるか検討した研究。卵巣刺激に対して反応性が高く、OHSSになる可能性が高い患者では、新鮮胚移植より凍結胚移植をした場合の方が妊娠率が高いが、そうでない場合には妊娠率に差は認められなかった。