神奈川県の不妊治療専門クリニック 矢内原ウィメンズクリニック

「SEED POD」について.2

培養部 培養部ー精子について
精子の弱点2

前回は、精子の弱点”温度が精子に与える影響”についてでした。そんな弱点による悪影響、運動率だけではありません。

上記グラフ*(2. は21℃と37℃保存による空胞精子の割合を表したものです。
空胞精子とは精子頭部に通常精子にはない空胞(穴のようなもの)を持つ精子で、妊娠率を低下させ流産についても関与するという報告があります。グラフ上では21℃(白)保存に対し37℃(黒)保存の方が、空胞精子の割合が多くなっているのが見て取れます。
[*(2. SEED POD 公式サイト「精子(精液)は温度に弱い? 精子にとって快適な環境や温度は何度?」より
https://tengahealthcare.com/column/1367/ ]外部サイト

以上のことから精子の至適温度は20℃前後、人肌よりも低い温度ということがわかります。それだけでなく、不適温度下に置かれた精子は精子としての質を大幅に下げることが示唆されています。

精子の弱点 おわりに

治療において、顕微授精では精子を選別できるため空胞化精子を避けることはできますが、AIHや体外受精ではそうもいきません。特に、精液検査で運動率や精子濃度等が少ないと診断された患者様にとってこの使用可能精子の低下は多大な影響を及ぼしてしまうことは想像に難くないと思います。

運搬が負担であることは間違いありません。
初めて精液を持参する際は驚かれたのではないでしょうか?旦那様のものとは言え、精液を懐に忍ばせながらの移動、公共機関などを利用される方は移動中気が気でない思いをされたと思います。やはり抵抗感があるかと思いますし、誤って溢してしまう危険性だってあります。

タオルなどを使用しバックに入れて運搬することも可能ではありますが、精子にとっての至適温度を一定に保ちながら運搬するのは困難を極めるかと思います。

一覧に戻る

初診予約