神奈川県の不妊治療専門クリニック 矢内原ウィメンズクリニック

新型コロナワクチンについて

培養部

2月17日から医療従事者を優先としてワクチンの接種が始まっています。

ワクチン接種の優先順位については賛否があるところだとは思いますが、医療従事者へのワクチン接種がある程度行われた後、高齢者、基礎疾患を有する方等の順に接種を進めていく見込みです。高齢者への接種は、一部の市町村で4月12日に開始される見込みとなっており、若年層~中年層の方への接種はもう少しかかると予想されます。

当院HP上でも「日本産婦人科感染症学会の提言」から抜粋した、ワクチン接種への注意点を掲載しています。

コロナは命に関わる疾患です。ですが、ワクチン接種の副反応にしてもご不安があると思います。接種は推奨されるものの、接種しないという選択も可能です。そこでワクチンとはどういうものなのか、下記にてご紹介いたしますので是非御一考の一助となれば幸いです。

コロナ関連のニュースでワクチンを取り上げられる際、いくつかの社名が挙げられているのを耳にされていると思いますが、ワクチン製造で先行しているのが「ファイザー社」「アストラゼネカ社」「モデルナ社」の三社です。

現在、日本で薬事承認されているものはファイザー社のワクチンのみです。

mRNAワクチンとは?

ウイルスのタンパク質をつくる元となるものの一部を注射します。すると人の身体の中でウイルスのタンパク質の一部がつくられるようになり、それに対する抗体などができることでウイルスに対する免疫ができる仕組みです。mRNAは、時間の経過とともに分解されていくため、接種した人自身のDNAに組みこまれることはありません。また、精子や卵子の遺伝情報に取り込まれることはないと考えられています。

 

ウイルスベクターワクチンとは?

mRNAワクチンと仕組みは近く、ウイルスのタンパク質をつくるもとになるものの一部を、人体にとって無害な別のウイルスに運ばせ、抗体を作る仕組みです。ウイルス感染の過程が自然感染と酷似しているため免疫応答がしっかり惹起されます。保管が容易であるメリットがあります。

 

ワクチンの有効性は?

海外の報告になりますが、発症予防効果は約95%と報告されています。国内においてもワクチン接種後、血清抗体価の上昇が海外の報告と同等以上の結果を得られています。

※本ワクチンの接種で十分な免疫ができるのは、2回目の接種を受けてから7日程度経って以降とされています。

※現時点では感染予防効果は明らかになっていません。

 

気になる副反応は?

まずは、「どんなワクチンでも副反応の報告はあり、起こる可能性もある」と考えてください。

インフルエンザワクチン接種などでご経験があるかと思いますが、ワクチン接種後にはワクチンが免疫をつけるための反応を起こすため、接種部位の痛み・発熱・頭痛などの「副反応」が生じる可能性があります。重篤な副反応(要治療・予後障害)は極めて稀ではあるものの、ゼロではありません。ワクチンの国内治験では、ワクチンを接種後に、接種部位の痛みは約80%に、37.5度以上の発熱が約33%(2回目)の方に認められていますが、ワクチン接種との因果関係はわかっていません。

ファイザー社のワクチンについて|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

 

ワクチンに含まれる成分に対する急性のアレルギー反応であるアナフィラキシーの発生頻度は、市販後米国で100万人に5人程度(0.0005%)と報告されています。

 

ワクチン接種について

ワクチン接種の対象は16歳以上となっています。また、妊婦・授乳中の方・妊娠の可能性のある方の接種自体は可能です。詳しくは当院HPのお知らせをご覧ください。

※3月1日に、米国疾病予防管理センター(CDC)の予防接種諮問委員会(ACIP)にて、新型コロナワクチンの妊婦への安全性について、米国の最新情報が発表されました。

2月16日までのデータで、少なくとも1回以上同ワクチンを接種した妊婦は3万人を超えており、局所反応や全身反応について、妊娠されている方と妊娠されていない方の間で大きな差はなかったこと、流産等の妊娠に特有の問題については自然発生率(新型コロナウイルスワクチンが導入される前に起きていた頻度)と比較して大きな差異はなかったこと等が報告されています。(厚生労働省 新型コロナワクチンについてのQ&A より)

 

ワクチン接種までの流れ

(1)接種の時期より前に、市町村から「接種券」と「新型コロナワクチン接種のお知らせ」が届きます。

(2) ご自身が接種可能な時期が来たことをご確認ください。

(3) ワクチンを受けることができる医療機関や接種会場をお探しください。(接種が受けられる場所を参照)

(4) 電話やインターネットで予約をしてください。

(5) ワクチンを受ける際には、市町村より郵送される「接種券」と「本人確認書類(運転免許証、健康保険証など)」を必ずお持ちになってください。

なお、接種費用は全額公費(無料)で接種出来ます。

 

以上がワクチンについての概要になります。最後になりますが、ワクチンを接種しても絶対にかからないというわけではありません。予防はこれからもしっかり行う必要があります。コロナだけでなく、風邪やインフルエンザなどにも罹患しないようこれまでと同様の予防を行い、不妊治療に対しご自身にとってより良い選択、治療ができるよう日々の生活を心がけていきましょう。

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