神奈川県の不妊治療専門クリニック 矢内原ウィメンズクリニック

胚の成長 注意点 ①

培養部 培養部―卵・胚について

受精後、分割胚(初期胚)→胚盤胞に至るまでの胚の成長を、各段階の写真を用いて説明しました。受精すると卵細胞の分割が始まり、受精後3日目には8個ほどの細胞に分かれ、4日目には桑実胚となり、5日目に胚盤胞となる…という流れでしたが、すべての受精卵がこのような成長をするわけではありません。

成長のスピードが速い卵もあれば遅い卵もあり、残念ながら途中で成長が止まってしまう卵もあります。そういったことについておはなしをしていきます。(3日目凍結→分割胚凍結、5日目凍結→胚盤胞凍結と表記しています、移植に関しても同様です)

まず、途中で成長が止まってしまう卵についてです。

全ての受精卵が胚盤胞まで成長する、わけではありません。たとえ分割がきれいに順調に進んだ卵であっても、そのまま分割胚の状態のままで動きが停止し、胚盤胞まで至らないことがあります。目安として“5日間以上培養した受精卵が胚盤胞になった割合”について当院のデータをお示しします。年齢によって差はありますが、

受精方法→ふりかけ法(IVF) 約70%

  顕微授精(ICSI)  約60%  となっています。

(2019.5.1~11.15 採卵件数約700件分のデータ・平均女性年齢は38.0歳)

こちらは“全体の割合”ですので、採卵ごとにばらつきが生じます。10個の受精卵がすべて胚盤胞になることもあれば、その逆のケースもあります。例えば“ICSIで4個受精卵ができたから少なくとも2個は胚盤胞までいくのか!”と単純には判断できません。参考程度にご覧ください。

また、細胞のかたまりの中に空間ができてきた時点で胚盤胞まで成長した、と判断できますが、

 

 

 

 

そこからさらに空間が広がりしっかりと成長したものを、当院では胚盤胞凍結の対象としています。なかには初期の胚盤胞までは成長したけれど、そこから空間の広がりが見られず、成長が止まってしまう卵もあります。

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